API と MCP のちがい
設定画面には API Connector・MCP Connector・MCP Server・API Server という、名前の似た項目があります。どれも「外部とつなぐ」ための設定ですが、つなぐ相手も、つなぐ向きも違います。
これらを見分けられるようになるのが、このページの目的です。まず言葉の意味から始めます。
API とは
プログラムが使うための入口のことです。
私たちが Web サービスを使うときは、画面を見てボタンを押します。でもプログラムには目がないので、画面は使えません。そこで多くのサービスは、画面とは別に「プログラム専用の入口」を用意しています。これが API です。
自動販売機のようなものだと考えてください。店員さんに「冷たいお茶ください」と話しかける(=画面を操作する)のではなく、決まったボタンを押すと決まったものが出てくる。押し方があらかじめ決まっているぶん、機械にも扱えます。
たとえば「郵便番号を送ると住所が返ってくる」「請求データを送ると会計システムに登録される」といったやり取りは、すべて API を通して行われています。
ここで大事なのは、ボタンの並び方はサービスごとにバラバラだということです。会社が違えば入口の形も違うので、つなぐたびに「このサービスはどう呼ぶのか」を調べて合わせる作業が必要になります。
MCP とは
AI が外部のサービスを使うときの、差込口の形をそろえた決まりごとです。
AI にいろいろな道具を使わせたい、という話になったとき、API のバラバラさが問題になりました。サービスが100個あれば100通りのつなぎ方を用意しなければならず、現実的ではありません。
そこで「AI と道具のあいだの差込口は、この形にそろえましょう」と決めたのが MCP です。
電源コンセントの規格に近いものです。家電ごとに専用の差込口を壁に開けるのではなく、形を統一したので、対応している家電なら差すだけで使える。MCP に対応しているサービスなら、つなぎ方を個別に作り込まなくても AI が使えるようになります。
MCP に対応したサービスの内側では、結局その会社の API が呼ばれています。MCP は API を置き換えるものではなく、AI から扱いやすい形に包んだものだと考えてください。
2つのちがい
| API | MCP | |
|---|---|---|
| ひとことで | プログラム専用の入口 | AI 用に形をそろえた差込口 |
| 形 | サービスごとにバラバラ | 共通 |
| つなぐとき | サービスごとに合わせる作業が必要 | 対応していれば差すだけ |
| 主に使うのは | アプリのプログラム | AI |
| できたのは | ずっと前から | AI が普及してから |
どちらが優れている、という関係ではありません。API は昔からある土台で、MCP はその上に AI 用の共通ルールをかぶせたものです。
Bakusoku の4つの設定はどれを使うのか
見分けるコツは「誰が外部を使うのか」を考えることです。
| 設定 | 誰が外部を使うのか | 例 |
|---|---|---|
| API Connector (アプリの設定) |
作ったアプリ アプリ → 外部 |
受注アプリから基幹システムに在庫を問い合わせる |
| MCP Connector (ワークスペース管理) |
Bakusoku のAI AI → 外部 |
デザインツールの画面を AI に読み取らせてアプリを作る |
| MCP Server (アプリの設定) |
外部のAI 外部 → アプリ |
Claude や Cursor から、自社アプリのデータを見ながら相談する |
| API Server (アプリの設定) |
外部のプログラム 外部 → アプリ |
基幹システムが夜間バッチでアプリのデータを取り込む・書き戻す |
Connector と Server は向きが逆です。名前が似ているので、迷ったら「差しに行く側(Connector)か、差されるコンセント側(Server)か」で考えてください。Server の2つは相手が違います — 相手が AI なら MCP Server、プログラムなら API Server です。
やりたいことから選ぶ
| やりたいこと | 使う設定 |
|---|---|
| アプリの画面から、社内システムのデータを表示したい | API Connector |
| アプリから他社サービスに通知を送りたい | API Connector |
| アプリを作るときの材料として、外部サービスの情報を AI に読ませたい | MCP Connector |
| 普段使っている AI から、Bakusoku のデータを直接見たい・更新したい | MCP Server |
| 基幹システムや連携ツールから、アプリのデータを自動で読み書きしたい | API Server |
| 作ったアプリを、社外の人にも使ってもらいたい | どれでもありません(→ 公開) |
始める前に知っておくこと
- 接続先の情報は、相手のサービスから受け取ります。URL やアクセストークンは、つなぎたいサービス側の画面や案内に書かれています。Bakusoku 側で発行するものではありません(MCP Server は例外で、Bakusoku 側で発行します)
- 登録した鍵は、あとから見返せません。暗号化して保存され、画面には二度と表示されません。控えが必要なら相手のサービス側で確認してください
- 設定しただけでは何も起きません。登録したあと、チャットで「この機能を使って〇〇して」と依頼する必要があります
- いずれも管理者以上の役割と、対応する契約プランが必要です(→ サービスとプランの違い)